フリックドロップ [.17] | DLsite 同人 – R18
あらすじ
ある日、隕石によって地球は壊滅的な打撃を被る。
大地は荒れ、空は汚れ、命は消えた。
しかし、滅亡に手を差し伸べたのもまたその隕石、フリックであった。
フリックからは未知のエネルギィが発見され、人類はそれを利用したヒューマノイドを創り上げた。
ヒューマノイドと人は手を取り合い、再生の道を歩み始める。
それから100年が経つ。
人々は外界を壁で断絶した街で、滅亡前に限りなく近い文明を取り戻していた。
▼フリックドロップは、上記のバックストーリーを持つ街での、ある十日間を追う物語です。
主人公、登場人物の違う二つのシナリオが平行して進んでいく中、
フリックを取り巻く街で何が起きようとしているのか、一つの物語が明らかになっていきます。
サンプル
レビュー
このノベルゲームはものすごく有名な作品ではありませんが、
プレイした方の評価は高いです。
値段も安く、
評価も高かったので
プレイしてみました。
実際にプレイしてみると、
交互に進む二つのシナリオや
人間とロボットの関係など
楽しめる要素がいろあり、面白かったです。
気になった方は
ぜひプレイしてみください。 筆者の環境ではインストーラーの初期段階になぜか2時間以上を要したので、特に機体スペックが低めの方はのんびり待たれるように。
初期段階さえ過ぎれば後は(ゲーム本編も含め)スムーズに進行する。
(状況:読了、所要時間のんびり読んで15時間ほど)
本作は選択肢のないノベルで、文章量も比較的多めになる。
立ち絵の上に文章が乗るため、キャラの表情が変わるたびに全体に再表示が掛かるのがテンポをや悪くしている。
特殊読み(例:創(う)まれる)や独特の表記、意図的な誤字が普通の誤字や表記のゆらぎと重なるので多少の慣れが必要だが大きな問題ではない。
セーブポイント数は15と少なく感じるが、これと別に後からチャプター単位で再読できるためこれまた問題ではないだろう。
舞台は技術的に見ておそらく遠未来。
隕石衝突で人口の9%を失いながらも再興を目指すこの世界には、いま3つの知性が存在している。
1つは人間、2つは人工物(ロボット)。
現在の人工知能の延長上にある産業用ロボットーIタイプと、全く違ったアプローチから創まれ、ぱっと見では人間と区別のつかないヒューマノイドーHタイプ。
本作は人間とロボットのありようについて、「現時点で最高のヒューマノイドを作る」ライラック構想にかる10日間(×2シナリオ)の事件を通して探る物語である。主眼が人とHタイプの関係に置かれるため、Iタイプの扱いは軽いが重要なシーンが散見される。
体験版の範囲では2つのシナリオにほとんど関連はないが、以降共通の人物が登場したり一方で起きた事象が他方に関与するなど急速に関係を増していき、最後には1つに収束する。
現在の技術では1つのAIはたった1つのことしか出来ないにもかわらずAI脅威論が取りざたされる昨今、Iタイプですら自我を持ち人と並び立つ世界の物語を一読してみてはどうだろう。 人が、「人に限りなく近い人ではないもの」を作り出したとき、それとどう向き合っていくのか。
心はどこにあるのか。どうして生まれてくるのか。同じであるのか違うものであるのか。
アイザック・アシモフ以来、SFというジャンルのメインテーマの一つとしてあるもの。
それを考えざるを得ない世界で、手を取り合う者、信じる者、拒絶する者、不器用な者達の物語。
平行する二つのシナリオは、はじめの頃は繋がりが見えず、共にコメディタッチに。
物語が進むにつれて明らかになっていくもの、悪意と陰謀、それでも消えない願いと想い。
その繋がりに気づいたとき、発された言葉に、涙が。
人とロボットの関わりというテーマが好きな人、また単純に物語が好きな人、これはいものですよ。
個人的に反則だったのはノンノ。心の繋がりがあれば、形さえも大したことではないのだと。