茨の棘 籠の蝶 [灰色工房] | DLsite がるまに
あらすじ
両親も財産も感情も全て無くした少女「揚羽」は、
権力も財産も容姿の美しさも、全てを持っている男「茨」の下で働く事になりました。
当然、全てを持っている茨には
「手に入らない物」なんて有りませんでしたから、
ごく軽い気持ちで揚羽に手を出すのですが、揚羽は全く気にしません。
だって、彼女は全部「無くして」いましたから。
当然、茨は面白くありません。
どうにかして、関心を得てやろうかと画策します。
まぁ、要するに
全てを金と権力で手に入れてきた筈の男が、一人の少女の心に(勝手に)振り回されるゲー。
です。
お金持ちに少女がときめくんじゃなくて、
お金持ちの傲慢な男が、たった一人の少女にやきもきおろおろする姿が見たい!
という動機で作りました。
そういう事です。
コメディに思わせて、意外とがっつり、シリアスゲーです。
※スチルは有りますが、立ち絵は有りません。
一部に同性愛・性的描写・暴力表現が有ります(其れがメインでは有りません)。
差分無しでスチルは45枚。
スチル鑑賞機能有り。
分岐も何もない一本道。
文字数は約10万文字。
プレイ時間は作者で二時間程度。
通常なら二時間半~三時間程だと思います。
無料作品(フリーゲーム)も作っています。こちらも良ければ是非。
https://www.freem.ne.jp/brand/7621
サンプル
レビュー
2回泣きました。感涙でわん泣きました。終盤の2回。あの手紙ずっと大切にしてるのずるい。
手紙の威力強い。色んな意味で、あれがターニングポイントだったんだろうなと…。
無感情のメイドに恋しちゃって振り回される不器用御主人様。
と、いうとベタな感じに聞こえるんですが、一筋縄ではいかない。
登場人物全員が抱えてるものが大きい。
柘榴さんの存在は大きかったな…。あの人なしではこの物語はなしえない。
序盤に軽度のエロシーンがありますが、それ以降はないので、性的表現は控えめです。
ただ精神的に抉られる描写はありますけどね…。
その分、皆まとめてハッピーエンドに向かうので安心してください。
最初の不穏な空気が嘘のよう…!
皆幸せになってくれて私は嬉しい…。
とにかく感動しました、素晴らしかったです…! 大筋はご主人×メイドと王道なお話なのですが…一筋縄ではいかない。初期揚羽の無機質さがすごくてメイドロボのようだ。無機質過ぎて普通なら悪役に徹しそうな柘榴さんすら完全い人に。それぞれの性格と立場的にもっと痛々しい話になりそうなのが「ちょっとまてこの子ヤバい!」とオロ優しい面を見せてくるのが温かくも泣けるやら笑えるやら。キャラ全員過去がきつくて読んでて辛いところがあったんですが(特に揚羽の父の最期とかいろんな意味で後味悪い)、あらゆる意味で笑うしかないような温かさが中和してくれてそこらへんは読みやすかったです。
作中でも言われてますがメイン二人が非常にじれったく、締めに入る辺りでやっぱりこのくらいで収まるのかと思いきや無事に着地して一安心でした。二人の過去を思うと少し心配もありますが、つらい過去があっても思いやりを忘れない彼らなら大丈夫だと思いました。
柘榴さんは初登場インパクトから初期揚羽パワーで素に戻った辺りで完全に好感の持てる青年として愛着がわきました。雛菊ちゃんもキャラデザも面倒見のいお姉さんっぷりも可愛くて大好きです。
茨は名前と内面がい意味で合ってない人だな…wって思いました。なんだかんだと不器用な良い人で。開始時のエロスはどこに行ったんだと思うくらい最後は印象が変わっていましたが、最終的にはしっかり決めていた辺りはそういう名残がある気がします。揚羽も開始時は痛々しいほど無機質でしたが、柘榴達に気づかいを見せた辺りで娘の成長を見たような気分に。
各キャラ視点の内面描写の掘り下げが多いぶん、メイン4人の持ち味がわか
りやすく、物語の優しさに華を添えていたと思います。
重くインモラルなはずなのにキャラクターの良さに微笑んでしまうような、傷ついた植物達が弱った蝶をそっと守っている園をこっそり垣間見たような、独特の優しい物語でした。